歴史

歴史

年表

文化財

4天皇の支援と荒神

 開成の取り組みを耳にした父の光仁天皇は、写経のための道場の建立を支援した。これが如法堂で、現在の薬師堂である。
 如法堂で写経に勤しむ開成は、ある日、鬼神が紙を捨て去る夢をみた。目が覚めると、手許にあったはずの紙がなくなっている。この土地の神である荒神の仕業に違いないと開成は考えた。すると二羽のカラスが飛来し、荒神を鎮める方法を記した文書を落としていった。それに従い荒神を祀ったところ、なくなった紙がたちまち戻ってきた。

  • 写経の紙(紺紙)を捨て去る八面八臂(八つの顔と八つの腕)の荒神(中央)
    写経の紙(紺紙)を捨て去る八面八臂(八つの顔と八つの腕)の荒神(中央)。日本最初の荒神と伝わる。勝尾寺の荒神は、仏・法・僧の三宝を守護する「三宝荒神」として崇められる一方、人々の悩みや病気を祓う、「祓荒神」としても広く信仰を集めた。

画像出典元:勝尾寺所蔵「勝尾寺縁起」
〔貞享元年(1684)〕